今回は「太夫浜の家」の構造について解説をします。

どの程度の耐震性が必要か

2004年の中越地震や2007年の中越沖地震以降、新潟県を震源とする大きな地震は起きていません。
しかし、日本全体でみると東日本大震災や熊本地震、北海道胆振東部地震など大変大きな地震が頻発しており、首都直下地震もいつ起きてもおかしくないと言われています。
そんな中、新しく家をつくるとき耐震性についてはどう考えたらよいのでしょうか。

結論からいうと「出来るだけ耐震性を高めておく」というのが私の考えです。
具体的には新築の場合「構造計算(許容応力度計算)をしたうえで耐震等級3をクリアしておく」ということになります。

耐震等級とは

  • 耐震等級1
    建築基準法で定められた最低限の耐震性能を満たすもの。
  • 耐震等級2
    耐震等級1の1.25倍の耐震強度。
    長期優良住宅の認定を受けるためには等級2以上の強度が必要。
  • 耐震等級3
    耐震等級1の1.5倍の耐震強度。
    現在、定められた耐震性の中では最高等級。

耐震性の目安となる「耐震等級」には1~3の等級があります。
(耐震等級3が最も高い耐震性能となる。)
耐震性の高い住宅をつくるには、プランニングの段階から構造と連動して計画を進める必要があります。
構造計画を全く考慮せずプランニングを行ったものは、後から構造計算してみると耐震性を満たしていないことが多くあります。
積雪を考慮する必要のある新潟県では、その傾向が顕著と言えます。
間取りやデザインはもちろん大切です。
いくら地震に強くても、壁ばかりで閉鎖的な空間では納得のいく空間にはならないでしょう。
しかし、構造の安全性は命に関わる重要な部分。決して妥協はできません。
プランニングの段階から構造と連動して計画を進めることで初めて、これらを高いレベルで両立させることが出来るのです。

「太夫浜の家」の耐震性

宮崎建築では、すべての新築住宅で構造計算をしています。
そのうえで2020年より耐震等級3を標準仕様としてきました。
「太夫浜の家」も耐震等級3をクリアしています。

「太夫浜の家」構造見学会説明用スライドより

「太夫浜の家」の内部に入ると、南面には大きな窓があり、高断熱住宅の特性を生かしたオープンな間取りとなっています。
耐震性を高めるためには「窓を少なくし、間仕切り壁を多くする。」という方向性になりがちですが、しっかりと構造計算をすることで自由度の高いプランにすることが可能になります。

いい家とは?

断熱性や耐震性はもちろん重要です。
どちらも生活と命に関わる部分で、それらをおろそかにして「いい家」というのはあり得ません。
しかし「断熱性が高いだけ」「耐震性が高いだけ」の家では寂しいと感じます。
性能も、デザインも、間取りも、暮らしやすさも、高いレベルで達成させることが出来たとき、そこで暮らすことが喜びになる「いい家」になるのだと考えています。

「太夫浜の家」完成見学会のお知らせ

日時:令和4年4月29日(金)10:00~16:00
   令和4年4月30日(土)10:00~16:00
場所:新潟市北区太夫浜
※会場の詳しい場所はお申込みを頂いた方にお知らせ致します。
※本見学会は完全予約制とさせて頂きます。

◎お申込みは下記までお願い致します。
TEL 090-2409-1462(宮崎携帯)
メール info@miyazakikenchiku .com
お気軽にご連絡下さい

詳細はこちらをご確認下さい。

この記事を書いた人

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宮崎 直也

宮崎建築4代目で、設計・施工・管理を担当しています。
新潟県ならではの「冬寒く、夏暑い」という悩みに、建て替えなくても新築と同等以上の断熱性能が確保できる断熱リフォームを手がけています。一般的なリフォームとは違い、少ない光熱費で全体の空調を実現しました。
2級建築士、1級技能士、職業訓練指導員、平成9年技能五輪新潟県予選1位、平成10年技能五輪全国大会出場。嫁さん大好き。