「今の家、大きな地震が来たら壊れたりしないだろうか?」
少し古い家にお住まいの方ならこういった心配をされている方も多いのではないでしょうか。
住まいがどのくらいの地震に耐えられる性質なのか?それを示すものが耐震性です。
木造の住宅の場合、耐震性は建物の形状・屋根葺き材の種類・壁材の種類、量などにより決まってきます。
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それぞれを見ていきます。

■建物の形状
建物を真上から見下ろした時の形が正方形に近いほど地震時には有利であると言えます。
L型やコ型、凹凸の多い建物は地震発生時にねじれる現象が起こり、部分的に損傷が生じやすくなります。
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郊外で土地が広い場合、増築を重ねた不整形な住宅も多いためこのような建物が多くなります。その場合、新しい部分と古い部分の接合部などは特に注意が必要です。
私の住む阿賀野市近郊は「郊外で土地が広い」といった条件にピタリと一致するため前述のような住宅が多い地域でもあります。実際我が家もそうです…。(^_^;)

■屋根葺き材の種類
屋根葺き材(やねふきざい)とは瓦や板金などの屋根の仕上げ材の事です。
耐震性
写真 板金屋根

ここで耐震性を考えるときの原則を1つ。「建物の重量が重いほど地震時に受ける力は大きくなる」というものがあります
簡単に言うと「重い建物はグラグラゆすられると大きく揺れる、軽い建物はあまり揺れない。」ということです。(^_^)
屋根葺き材は屋根全面を覆うものですから面積、重量とも大きくなります。そこで屋根葺き材の種類が関連してくるのです。
阪神大震災後「瓦は地震に弱い」という話が広まりました。これは瓦の重量が金属に比べ8~9倍ほどあるためで構造の条件が同じであれば瓦屋根の方が地震に対して不利であると言えます。(ただし、構造の条件が同じ場合の話なので実際は瓦=地震に弱いとは限りません。また別の機会に触れようと思います。)

■壁材の種類、量
住宅を構成する壁材、その種類や構造、量が耐震性に大きく影響します。
古い住宅であれば土塗り壁、年代が変わるごとに様々な仕上げ材があります。
また、壁内部の筋かいの有無、そういったことを確認することで耐震性を知ることが出来ます。
耐震性
写真 新築住宅、筋かいなどで壁を補強し耐震性を高める。

以上、かなりザックリとではありますが「耐震性」について少しご理解いただけたでしょうか?

次回はもう少し具体的に「耐震性を数値で知ることのできる耐震診断」を書いてみます!

この記事を書いた人

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宮崎 直也

宮崎建築4代目で、設計・施工・管理を担当しています。
新潟県ならではの「冬寒く、夏暑い」という悩みに、建て替えなくても新築と同等以上の断熱性能が確保できる断熱リフォームを手がけています。一般的なリフォームとは違い、少ない光熱費で全体の空調を実現しました。
2級建築士、1級技能士、職業訓練指導員、平成9年技能五輪新潟県予選1位、平成10年技能五輪全国大会出場。嫁さん大好き。