今回は屋根材について。
屋根材の葺き替えは使用している材料にもよりますが、30年~50年程のスパンで考える必要があります。
葺き替え工事は費用も掛かり比較的大きな工事と言えます。
数十年に一度行う葺き替え工事、このタイミングを逃さず耐震性、耐久性を高めるにはどうしたらよいのでしょうか?
①屋根材を軽くする。
既存の屋根が瓦葺きの場合、アスファルトシングル葺きや板金葺きなどの軽い材料を選択することで耐震性を向上させることが出来ます。安易に今までと同じ屋根葺き材にするのではなく、慎重に材料を選択することで特殊な工事をすることなく、屋根工事の「ついでに」耐震性を高めることができます。
「黒埼の家」既存の瓦屋根を板金屋根に変更することで耐震性の向上を図った。
②カバー工法を選択する場合は慎重に!
既存の屋根葺き材を撤去せずに上から新しい屋根材をかぶせてしまうカバー工法というものがあります。
工期が短くなることや既存屋根材の処分料がかからないことがメリットと言えますが宮崎建築ではおすすめしていません。
理由は、傷んでいる下地の補強、修繕や金物の取付などは既存の屋根材を撤去しなければ行うことができず、それらを行う数十年に一度のチャンスを逃してしまうからです。
以上の事から少々費用が掛かっても既存屋根を撤去したうえで葺き替え工事を行うことをおすすめしています。
また、処分料がかからないという話も数十年後に先送りするだけの話なので「お得」という事にはならないと考えます。(数十年後、処分料は確実に値上がりしているはず。)
当然ですが屋根材も2重なので重量は増します。よって、この方法では耐震性は向上させにくいのです。
既存の屋根材を撤去し葺き替えを行うことが「ついでに」耐震性を向上させやすく、結局は費用が掛からないと考えます。
「黒埼の家」既存屋根材を撤去した様子。下地は健全、構造の傷みが無いことが確認できた。
③下地、構造が見えたときは抜かりなく補強!
「黒埼の家」金物の補強も確実に行うことが出来ました。
既存屋根材を撤去するからこそ、こういった工事も簡単にできます。