東日本大震災から5年、今度は熊本で大きな地震がありました。
この度の地震で被害に遇われた皆様に心よりお見舞い申し上げます。

新聞報道などでは倒壊した住宅のほとんどが「旧基準」で、亡くなった方の7割が「旧基準」の家屋に住んでいたと報じられていますが、この「旧基準」とは何を言っているのでしょうか?

耐震基準
H28.5.1 朝日新聞より

■一つの判断基準は住宅の建築年度
地震大国である日本は地震で大きな被害を受けるたびに基準や設計法を見直してきました。
木構造については昭和56年(1981年)の新耐震設計法導入が大きなもので、建築された年が昭和56年より前か後かにより耐震性能に大きな違いがあるという事になります。
(この改正は昭和53年の宮城沖地震後に行われたもの)

つまり、「旧基準」とは昭和56年に導入された新耐震基準の前の旧耐震基準を指します。

国や地方自治体では耐震化率を向上させるため、昭和56年以前の旧耐震基準で建てられた建築物に対し補助を出し、耐震診断や耐震改修をすることを後押ししています。

今回の熊本地震で倒壊した旧耐震基準の建物の中にはリフォームをした形跡があるものもあり、リフォーム時に耐震診断、耐震改修を行っていれば倒壊を免れたのではないかとの指摘もあるようです。

■耐震診断のすすめ
私は木造住宅耐震診断士として活動をしており、行政や一般の方から依頼を受け年間4~5件程度旧耐震基準の住宅を耐震診断しています。
その経験から言えることは、旧耐震基準の住宅の耐震性能は一様に低く、大地震時には損傷を受ける可能性が高いという事です。
言葉にすると当然のことのようですが、実際に診断をし、数値化することで感覚的なものではなくなります。逆に言えば将来的にリフォームや補強を考えられている方にとっては診断結果が指標となります。

■耐震診断とはどんなことをするのか?
・耐震診断はどんなことをするの?をご参照ください。

耐震改修

■耐震診断を公的補助で受けることができます。
木造住宅の耐震化には行政も後押しをしています。
昭和56年より前に建築された住宅の場合は耐震診断に自治体が補助を出しており自己負担なしで耐震診断が受けられる場合もあります。これらを活用するのも一つの方法です。

補助制度については宮崎建築でもご案内をしております。お住まいの住宅の耐震性が不安であるという方、お気軽にご相談ください。

※H28.5.6現在
新潟市  本年度の受付を開始しています。 新潟市HP
阿賀野市、新発田市  例年6月受付開始です。

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この記事を書いた人

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宮崎 直也

宮崎建築4代目で、設計・施工・管理を担当しています。
新潟県ならではの「冬寒く、夏暑い」という悩みに、建て替えなくても新築と同等以上の断熱性能が確保できる断熱リフォームを手がけています。一般的なリフォームとは違い、少ない光熱費で全体の空調を実現しました。
2級建築士、1級技能士、職業訓練指導員、平成9年技能五輪新潟県予選1位、平成10年技能五輪全国大会出場。嫁さん大好き。