和室一部屋の増築工事を行っています。
主屋が少し手狭とのことでご依頼をいただきました。
「せっかく増築をするならば本格的な和室を。」とのご要望で真壁、床柱、長押など最近は少なくなった仕様で計画を進めることに。
いわゆる「畳のある部屋。」であれば特に難しいことはありませんが真壁の和室となると材料の選定から造作、仕上げまで気が抜けません。
施工する職人の技量により出来栄えも大きく変わるため、大変ですがやりがいのある仕事です。
まずは基礎工事。
一部屋の増築とはいえ基礎はしっかりと造る必要があります。
…職人さん、スコップ持っているけど重機は?
そう、こちらの現場は主屋の裏手に位置し重機が入らないため手掘りです。
土を掘る作業、見た目は簡単そうですが、体力が必要なうえスコップの扱いにコツがあり単純ではない。
私もたまに植栽などで穴を掘りますが自らのひ弱さを痛感します。
サクサクと穴を掘る職人さん、尊敬&感謝です。
作業場では柱、梁などのきざみ作業。
新築ではプレカットが主流ですが増築などでは手刻みする場面はまだまだあります。
増築で最も気を使うのは既存部分との取り合い。
築年数が古いほど建物の水平垂直がずれている場合が多くどこで修正をかけるか。
規模は小さくとも新築には無い大変さがあります。
手刻みする際、木の種類、状態などに合わせ0.1ミリ単位で微調整をしながらノミや鋸を入れます。これは理屈ではなく勘の部分ですがこの微調整が組みあがりに影響します。
増改築の工事は規模の大小にかかわらずイレギュラーな部分が必ず発生します。
そこにどう対処できるか、大工として地力が問われる部分であり楽しい部分でもあると考えています。